アンダーハンドキャストで飛距離を出す方法【船】
オフショアアングラー「アンダーハンドキャストって何?
えっ!上から投げちゃダメなの?
下投げじゃ飛距離でないじゃん…」
こんな悩みに答えます。
関東近郊で多く見られる「乗り合いルアー船」1人でフラッと行っても船釣りができる大変便利なシステムです。
しかし、そんな乗り合い船では、安全面を考慮して「アンダーハンドキャスト(下投げ)」を義務付けている場合が少なくありません。
普段オーバーハンドキャストしかしない釣り人の中では、飛距離が出ずにもどかしい思いを人も少なくないハズです。
今回の記事では、「アンダーハンドキャスト」を極めるべく、徹底的に解説していきたいと思います。
目次
多くの人のキャストをみてきました。
もちろん自分でも、たくさん練習してきました。
人よりは、少しだけ多く練習したはずなので、それなりには信憑性もあると思います。
それでは、ご覧ください。
アンダーハンドキャストで飛距離を出す方法【船】
今回の記事では、アンダーハンドキャストで飛距離を出すことを目標に、
・メリット・デメリット
・ロッド
をそれぞれ紹介していきます。
アンダーハンドキャストとは
アンダーハンドキャストとは、一般的なオーバーハンドキャスト(上から振りかぶって投げる)に対して、下から振りかぶって投げるキャスト方法です。
百聞は一見に如かずなので、まずは動画をご覧ください。
このように、下から振りかぶって投げることで、船内の人や物にルアーを引っ掛ける事故のリスクをなくせる投げ方です。
関東の乗合船(青物・シイラ・マグロなど)では、このキャスト法をルールにしている船が多くあり、必須級の技術と言えます。
アンダーハンドキャストの手順
御託を並べてもしょうがないので、早速アンダーハンドキャストの手順を解説します。
①まずはたらしの長さを5cmに調節
まずは、ルアーのたらしを5cm前後に調節します。
・ラインに人差し指を掛けます
・ベールを起こしてラインが出る状態にする
これでセット完了です。
②右半身に体重を乗せて構える
投げたい方向に体を向ける ×
投げたい方向に体重を乗せる ○
この時に、顔だけは投げたい方向に向けておいてください。
③左脇を上に上げ、ロッドは下に振り被る
最初はちょっと大袈裟くらいに、左脇を上方向に開くことを意識しましょう。
リールは投げる方向へ向け、竿先は右斜め下方向に振りかぶります。
※この時に、横に振り被ると危険なので、必ず下に振りかぶってください。
④右手を軸に、左手を引く力で振り切る
多くの人は、右手を前に押し出して投げようとします。
しかし、これでは力がブレてしまい、なかなかうまく投げれません。
右手は支えておくだけ。
開いておいた左脇をしっかり締めこみ、引く力で投げ切りましょう。
⑤ロッドを振り切ったら右手を返す
最後までロッドを振り切ったら、右手を返してリールを水面に向けます。
しっかりロッドを振り切ったのを確認してからでも大丈夫なので、焦らなくてもOKです。
この動作を焦りすぎると、ガイド絡みの原因になります。
⑥着水したら、糸ふけをとり、アクション開始
言葉の通りですね。
最初のアクションでエラーを起こすと、魚に見切られやすいので、細心の注意を払い、最初のアクションに移りましょう。
では、手順を理解したところで、もう一度動画をご覧ください。
アンダーハンドキャストのメリットデメリット
そもそも、なんでこんなややこしいキャストをルールにするのか。
ここでは、アンダーハンドキャストのメリットとデメリットを紹介します。
アンダーハンドキャストのメリット
後ろにスペースがなくても投げられる
反応が速い
順に解説します。
後ろにスペースがなくても投げられる
アンダーハンドキャストの最大のメリットは、この点です。
和船タイプの乗合船の場合、釣り人の後ろのスペースはロッド立てや船室。
充分なスペースがある釣り座はミヨシ(船首)やトモ(船尾)だけです。
この、スペースが確保できない状態で充分な飛距離を確保できることがアンダーハンドキャストの強みになります。
反応が速い
アンダーハンドキャストに慣れると、オーバーハンドキャストより速く投げられるようになります。
ナブラ打ちや不意の跳ね出しなどで、一番最初のルアーを投げ込むためには、アンダーハンドキャストを覚えておくのが有利になります。
アンダーハンドキャストのデメリット
飛距離は落ちる
重いルアーは扱いづらい
一歩間違えると非常に危険
こちらも順に解説します。
飛距離は落ちる
もちろんオーバーハンドキャストに比べると飛距離は落ちます。
しかし、熟練されたベテランのアンダーハンドキャストの飛距離は、下手なオーバーハンドキャストを遥かに凌ぎます。
練習次第では、魚を釣るには充分すぎるほどの飛距離は出せるので、しっかり練習しましょう。
重いルアーは扱いづらい
アンダーハンドキャストの前提として、ロッドに記載されている「ルアーMAX」重量は扱えません。
『ルアーMAX」は、ほどんどの場合でオーバーハンドキャストを前提とした記載をしています。
オーバーハンドのようの「ルアーのたらし」と「テイクバック」を使えないアンダーハンドキャストでは、記載の5〜7割くらいの重さのルアーがベストの重量になることが多いです。
一歩間違えると非常に危険
ここはかなり大切なので、がっつり解説します。
アンダーハンドキャストは、タックルバランスや投げ方を間違えると非常に危険な投げ方です。
例えば、下ではなく横から振りかぶって投げてしまった場合
もしもラインが途中でガイドに絡んだら、ルアーは隣の釣り人に向かって跳ね返ります。
投げた本人ならすぐに反応できますが、隣の釣り人はなかなかそうはいきません。
最悪の場合、失明させてしまった。
なんて事故は簡単に起こります。
実際に、僕が釣り船のスタッフとして働いていた当時も、針が刺さったのは何回かありました。。。
自分に針が刺さるくらいなら抜くだけですが、隣の釣り人を刺してしまったら、気が気じゃないですよね。
では、どうやったらこんな事故を起こさずに済むか。
・常に危険を予測する
・適切なタックルを使う
上の3つを気をつければ、大方防ぐことはできます。
正しいフォームは上の項でも解説しているので、しっかり練習してください。
危険の予測は、今話していることをいつも頭の片隅においておいてください。
最後に適切なタックルですが、
アンダーハンドキャストで投げる時にに、長すぎるロッド、柔らかすぎるロッドは投げづらく、フォームが乱れる原因になります。
次の項で、アンダーハンドキャストに向いたロッドを解説していきます。
アンダーハンドキャストに向いたロッド
アンダーハンドキャストの正しいフォームを身につけるために、最初の1本はやや短めのロッドを使うのが断然おすすめです。
とは言え釣り人の身長なんかによって違うので、具体的にいうと
175cm前後 7.4~8ft
170cm以下 7~7.5ft
くらいを目安にするといいと思います。
では、具体的な商品を魚種別に厳選して紹介します。
ヒラマサ・マグロ・ブリ(PE4~5号クラス)
ブルースナイパー75/4
最初の1本として、誰にでもおすすめできるロッド。
本当に癖がなく、THE中間!な感じのロッドです。
次のロッドを選ぶ基準にもしやすいですし、「1本で全部やれ!」というわがままにも対応できちゃうロッドです。
天龍 スパイク 732S-MH
こちらも信頼のブランド天龍のスパイクですね。
2020フルモデルチェンジでデビューした新作ですね。
アンダーハンドキャスト専用モデルで、こちらも40mmの大口径バットガイドが採用されています。
フルスロットル 77m
実際に使ってみたことはないですが、密かに欲しかったロッドです。
このロッドの強みは、バットガイド。
かなり大口径のものが採用されていて、ガイド絡みの危険もしっかり考慮して作り込まれた完成度が高いロッドです。
さすがシマノ。。。
シイラ・サワラ・カツオ・ワラサ(PE2号クラス)
パームス シーラプチャー76ml
相模湾シイラといえばこれですね。
説明の必要もないですよね?
これ1択です。
カツオもサワラもワラサもなんでもイケちゃいます。
パームス シーラプチャー76m
強いていうならもう一つ強いモデル。
これならヒラマサなんかもイケちゃいます。
ナノアロイ採用でこの価格帯はほんとに凄い!
まとめ
今回は、アンダーハンドキャストについてまとめてきました。
当たり前のことですが、頭で理解しただけでは飛距離は伸びません。
ルアー釣りはわりとスポーツに近い感覚なので、理屈がわかったらあとは反復練習です。
練習する上で、また疑問が出てきたら、また動画やブログをみてください。
回数をこなしていくうちに必ず上達し、飛距離は伸び、トラブルは減ってきます。
動きにムダがなくなっていく感じですね。
最初は港や近所の公園で構いません。
実際に投げるルアーをつけて、練習をしてみましょう。
決して誰かと競うようなものではないですが、隣の釣り人より遠くに飛ばせるということは、ダイレクトに釣果に繋がりますからね。
では最後にもう一度動画をご覧ください。
というわけで、今回の記事は以上です。
最後まで読んでいただきありがとうございました。